書誌事項
- タイトル別名
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- DEGRANULATION OF HUMAN EOSINOPHILS IN NASAL ALLERGY
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抄録
研究目的: 好酸球の脱顆粒のメカニズムを解明する事はアレルギーにおける好酸球の役割を知る上で重要な事と考える. しかしながら好酸球の脱顆粒を電顕レベルで示した報告は非常に少ない. 顆粒蛋白の一つであるEPOの局在を検索し, 顆粒蛋白の放出経路を電顕レベルで明らかにしたいと考えた. また, 好酸球と鼻粘膜上皮障害の関係についても明らかにしたい. 方法及び結果: 鼻アレルギー患者粘膜を4日間抗原刺激した後粘膜を採取した. グルタールで固定後DAB反応液に浸漬しEPOの局在を電子顕微鏡で観察した. 顆粒蛋白EPOは, 活性化した好酸球顆粒膜に出現した微細管を通って細胞質内に放出された. 細胞質に充満したEPOは細胞膜が破壊した個所より細胞外へ漏出していた. 上皮剥脱の激しい部位では多数の崩壊した好酸球が観察され好酸球細胞周囲に大量のEPOが漏出していた. exocytosisによるEPOの放出は観察できなかった. 好酸球の崩壊率は剥脱上皮部位で正常上皮部や浮腫上皮部より有意に高かった. 結論: EPOの遊離の形態より好酸球の脱顆粒はexocytosisでなく, 細胞崩壊によるものであり, その結果として上皮障害が惹起されるものと考えた.
収録刊行物
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- アレルギー
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アレルギー 48 (5), 500-506, 1999
一般社団法人 日本アレルギー学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204980962176
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- NII論文ID
- 110002406880
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- NII書誌ID
- AN00012583
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- ISSN
- 13477935
- 00214884
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可