エチレンジアミンによるアミノフィリン過敏症の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF AMINOPHYLLINE HYPERSENSTTIVITY REACTION DUE TO ETHYLENEDIAMINE

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抄録

エチレンジアミンによるアミノフィリン過敏症の1例を経験したので報告する.症例は30歳女性で,アミノフィリン静注直後に生ずるじんま疹の精査を目的として当施設に入院した.エチレンジアミンの皮内反応とアミノフィリンの静注試験は陽性であったが,エチレンジアミンを含まないジプロフイリン(ネオフィリンM【○!R】)の静注試験は陰性であった. 海外と本邦のアミノフィリン過敏症の報告を比較してみると,海外では遅延型の報告が多いのに対し,日本人の殆どは即時型の反応であった.エチレンジアミンの主要代謝経路はアセチル化である.殆どの日本人のアセチル化酵素は,迅速ないし中間代謝型であるが,白人の約半数はアセチル化が遅い遅延代謝型である.海外と本邦のアミノフィリン過敏反応で即時型と遅延型の頻度が異なるのは,このエチレンジアミンの代謝速度の違いによる可能性があると考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 48 (11), 1206-1211, 1999

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (25)*注記

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