ハチアレルギー患者における急速減感作療法(Rush Immunotherapy;RIT)の臨床的効果

  • 平田 博国
    獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科学教室
  • 湯川 龍雄
    獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科学教室
  • 山田 吾郎
    獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科学教室
  • 有馬 雅史
    獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科学教室
  • 牧野 荘平
    獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科学教室
  • 福田 健
    獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • EFFECT OF RUSH IMMUNOTHERAPY (RIT) ON HYMENOPTERA ALLFDRGY

この論文をさがす

抄録

本邦におけるハチ刺傷による死亡数は,年間約40名と報告されている.我々は,ハチアレルギー患者(ハチ特異的IgE抗体RASTスコア2以上)48名にハチ(スズメバチ,又はアシナガバチ)毒抽出物を用いた急速減感作療法(rush immunotherapy;RIT)を施行した.RIT前全身アナフィラキシー反応を呈した15名が再刺傷を経験し,14名は局所症状のみとなり,残り1名も全身症状の軽減が認められた.また,RIT中1名に全身皮膚症状が認められたが,他の患者において副反応は認められなかった.更に,減感作療法の免疫学的指標として,RIT前後における血清ハチ(スズメバチ,又はアシナガバチ)特異的IgE及びIgG4抗体についても検討した.ハチ特異的IgE抗体はRIT1カ月後増加したが,6カ月以後RIT前値と同レベルを示した.一方,ハチ特異的IgG4抗体はRIT後漸増した.これらの結果より,ハチアレルギー患者におけるハチ毒抽出物を用いた滅感作療法は有効であり,RITによるハチ特異的IgG4抗体の増加は,滅感作療法の奏効機序に重要であると考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 48 (12), 1331-1336, 1999

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (24)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ