気管支喘息に対するDisodium Cromoglicate(Intal)の効果(Single blind trapdoor trial)

書誌事項

タイトル別名
  • A Single-blind Trial of Disodium Cromoglicate (Intal) in the Treatment of Allergic Bronchial Asthma
  • キカンシ ゼンソク ニ タイスル Disodium Cromoglicate Intal ノ コウカ Single blind trapdoor trial

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抄録

従来より使用されている気管支拡張剤や, 小量のコルチュステロイドで充分コントロールできなかった22例の気管支喘息患者に, chemical mediatorの遊離を阻害するといわれているdisodium cromoglicateをsingle blindで6ヵ月間以上投与し, その間に, 各症例についてあらかじめ定められたplaceboによる治療期間(1ヶ月)のtrapdoorを作り, 本剤の使用期間を通じ常にplacebo使用中の症例があるようにし, 通年性ならびに季節性喘息発作に対する本剤の効果を検討し, 喘息発作をほゞ完全に抑制することができたもの11例, 発作の強度ならびに頻度を軽減することができたもの6例を認めた.(有効率77.3%信頼限界54.6〜92.2%)有効例のうちステロイドならびに気管支拡張剤の使用量の変化, 血中好酸球数の変動ならびに肺機能の改善についてそれぞれ次のごとき結果を得た.1)9例において, 従来より使用していたステロイドを減量(5例)あるいは離脱(4例)することができた.尚ステロイドより離脱した3例は, 6ヵ月後も発作を認めなかった.2)3例において, 過量に使用していたイソプロテレノール加圧エアゾール剤の吸入回数を常用量に減少することができた.3)Placebo使用期間ならびにコントロール期間に比し, 本剤使用により血中好酸球実数が50%以上減少したものを7例認めた.4)最大呼気中間流量がコントロール期に比し20%以上の改善を示したものを5例認めた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 19 (1), 45-60,72-73, 1970

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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