抗膜抗体に関する研究 : 第1編 ラット筋膜の純粋分離法, 形態学的観察, 化学分析および溶解法

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Anti-Muscle Membrane Factor : Report 1. Morphological Observations, Chemical Compossition and Solubilization of Isolated Muscle Membrane of the Rat Using an Improved Isolation Method
  • 抗膜抗体に関する研究-1-ラット筋膜の純粋分離法,形態学的観察,化学分析および溶解法
  • コウマク コウタイ ニ カンスル ケンキュウ 1 ラットキン マク ノ ジュンスイ ブンリホウ , ケイタイガクテキ カンサツ , カガク ブンセキ オヨビ ヨウカイホウ

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抄録

ラット肋間筋より, myofibrilの混入をほとんどなくし, 筋膜を純粋に分離する方法を確立した.分離した筋膜は, 位相差顕微鏡下では中空の円筒形で透明な一重の膜として, 電子顕微鏡では3層構造を有した膜として観察された.筋膜の化学組成は, lipid34.4%, 蛋白質61%, 総炭水化物はglucoseとして2.8%, methypentoseはfucoseとして0.4%, hexosamineはglucoseamineとして0.8%であった.アミノ酸組成はglycine, glutamic acid, alanine, aspartic acidなどを高率に含有していた.分離筋膜は, そのままでは免疫生物学的に応用するには制約が多すぎるので, 各種溶解液にてとかすことを試み, 筋膜蛋白量の溶出比で比較検討した.その結果, sodium dodecyl sulfateが56.4%ともっとも高率を示し, 以下pH9.5蒸留水(35.4%), 8M urea(22.8%), sodium desoxychoate(18.3%), collagenase(7.7%)の順であった.すなわち蛋白質の溶出を目的とした場合には, sodium dodecyl sufateが効果的な溶解液であることが判明した.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 22 (10), 649-657,660, 1973

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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