小麦粉喘息の2症例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Flour Asthma
  • コムギコ ゼンソク ノ 2 ショウレイ

この論文をさがす

抄録

製菓業従事者で小麦粉喘息と考えられる2例を報告した.1)症例は21才と24才の男性で, 同一の洋菓子製造会社に勤務後, 前者は2年8カ月後に鼻症状・眼症状に続いて喘息発作をきたし, 後者は5年6カ月後にじんましんに続いて喘息発作を発来し, 喘息発作はほとんど職場においてのみ認められた.2)臨床検査成績では, ともに軽度の血中好酸球増加と血清IgE値の上昇がみられ, 皮内反応では小麦粉に陽性で, さらに, これらの小麦粉に含有されるグルテンおよびグルテニンによる皮内反応, PK反応, 吸入誘発テスト, 眼結膜反応などもともに陽性であった.これらの反応はすべて即時型反応のみを示した.また, Ouchterlony法による沈降抗体は陰性であった.3)以上から, 2症例における抗原物質はグルテン・グルテニンであることが示唆された.これらの2症例は, Coombs and Gellの第I型アレルギー反応に属するアレルギー性気管支喘息と考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 24 (5), 443-447,460, 1975

    一般社団法人 日本アレルギー学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ