DNA分解酵素を用いたDNA-抗DNA免疫複合体測定法の検討

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タイトル別名
  • INFLUENCE OF ANTIGEN/ANTIBODY BINDING RATIOS IN DNA-ANTI-DNA COMPLEXES ON DNA BINDING RADIOIMMUNOASSAY USING DNase
  • DNA ブンカイ コウソ オ モチイタ DNA コウ DNA メンエキ フクゴ

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抄録

DNA-抗DNA免疫複合体測定法としてHarbeckらにより考案されたDNase消化およびDNA binding radioimmunoassay(RIA)による方法を, in vitroで作製した免疫複合体を用い検討した.1)DNA binding capacity(DBC)測定上の問題:DBC測定による患者血清中のDNA-抗DNA免疫複合体の陽性率は, 15.6%とradioallergosorbent test(RAST)により測定したときの陽性率55.6%と比較し有意に低い値を示した.これは, DNA binding RIAにhigh valencyであるDNAが抗原として用いられているために測定感度が低いことによる結果と考えられた.2)血清のDNase消化に対する問題:抗体過剰域で形成された免疫複合体中のDNAは, 高密度に結合した抗体により被覆されているためDNaseによる消化を十分に受けることができなかった.したがって高度な抗体過剰域で形成されていると考えられるSLE患者血清中のDNA-抗DNA免疫複合体をDNaseで消化し抗DNA抗体の抗原結合活性を回復させることは不可能であり, 1)の結果とあわせ従来のHarbeckらの方法は, 不適当であることが明らかとなった.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 31 (11), 1146-1155, 1982

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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