気管支喘息小児における鼻咽腔刺激による気管支拡張 : 非アドレナリン作働性非コリン作働性抑制神経系活性化の可能性

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タイトル別名
  • BRONCHODILATION CAUSED BY NASOPHARYNGEAL STIMULATION IN CHILD-ASTHMATICS : A Possible Activation of Nonadrenergic Noncholinergic Inhibitory Nerve System

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抄録

鼻粘膜刺激と同様に鼻咽腔刺激(Rp・S)もまた健康なヒトおよび動物に気管支収縮を惹起するとする報告が多い.しかし, 最近我々は経鼻的Rp・Sが喘息小児の気管支を収縮させるのに反して, 経口的Rp・Sは逆に気管支を拡張させることを発見した.さらに, この経口的Rp・Sが喘息小児において気管支拡張と同時に下部食道括約筋を弛緩させることを確認した.この成績は, この刺激がnonadrenergic noncholinergic inhibitory nerve (NANCIN) systemを活性化することを強く示唆するものである.この論文では, 小児気管支喘息51症例(発作群28例, 非発作群23例)にRp・Sを試み, 気管支拡張の程度をpeak expiratory flow rate (PEFR)の増加で判定した.結論:1.Rp・S後約15秒で発作の緩解乃至減弱が認められた.2.Rp・Sをβ_2 stimulant (β_2・S)吸入前あるいは後に行うと小・中発作にとくに効果的であった.3.7例が最終刺激後にPEFRの減少を示したが, これはmyogenic activityによるものと思われる.4.以上の成績はin vivoおよびin situでヒトの気道のNANCINによる調節の存在を強く示唆している.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 35 (5), 367-373, 1986

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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