室内塵ダニ喘息におけるIgE濃度, 末梢血白血球からのヒスタミン遊離及びヒスタミン, アセチルコリンの組織の反応性に及ぼす加齢の影響

  • 前田 裕二
    国立相模原病院リウマチ・アレルギー臨床研究部
  • 安枝 浩
    国立相模原病院リウマチ・アレルギー臨床研究部
  • 油井 泰雄
    国立相模原病院リウマチ・アレルギー臨床研究部
  • 信太 隆夫
    国立相模原病院リウマチ・アレルギー臨床研究部

書誌事項

タイトル別名
  • STUDIES ABOUT AGING EFFECTS ON IgE CONCENTRATION, HISTAMINE RELEASABILITY FROM PERIPHERAL BLOOD LEUKOCYTES, TISSUES, RESPONSES TO HISTAMINE AND ACETYLCHOLINE IN HOUSE-DUST-MITE ASTHMATICS

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抄録

室内塵喘息について, IgE濃度, 末梢血白血球からのヒスタミン遊離能及び化学伝達物質への組織の反応性に及ぼす加齢の影響を検討し, 以下の成績を得た.高齢者群では非特異的IgE, および室内塵-ダニ特異的IgE濃度は若年群に比べより低値を示した.ダニ粗抗原, HD及び抗IgE抗体刺激による白血球からのヒスタミン遊離の反応の程度も低下し, そのうちHD刺激による変化においては特に高齢者群では若年者群に比べ有意に低下していた.これとは対照的にヒスタミンによる皮内反応, アセチルコリンによる気道の反応性には変化はみられなかった.さらにこれらの変化は喘息の発症年齢にも影響を受けなかった.ダニに対する特異的IgE濃度が低値を示す例は, 特異的IgEそのものが低いのであって特異的IgG4が高いためではなかった.このことから高齢者に外因型喘息が少ないという事実は, 加齢により特異的IgE濃度が低下するためでありIgG4が増加するためではないと考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 36 (12), 1037-1046, 1987

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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