Aspergillus restrictusのアレルゲンとしての意義に関する研究

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タイトル別名
  • ALLERGENICITY OF THE OSMOPHILIC FUNGUS ASPERGILLUS RESTRICTUS EVALUATED BY SKIN PRICK TEST AND RADIOALLERGOSORBENT TEST

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抄録

近年, 好稠性真菌検出用培地を用いた生活環境真菌の分布調査が行われるようになり, 好稠性真菌であるAspergillus restrictusが室内塵から多数検出されることが明らかとなった.そこで, 著者らはA.restrictusのアレルゲンとしての意義を明らかにするため, 気管支喘息児94名(平均年齢12.0歳)を対象に, A.restrictusの皮膚プリック試験ならびにradioallergosorbent test(RAST)を行った.なお, 比較のためAspergillus fumigatus, Alternaria alternata, 室内塵についても同様の検討を行った.その結果, 皮膚プリック試験の陽性率はA.restrictus 8.5%, A.fumigatus 8.5%, A.alternata 16.0%, 室内塵73.4%であった.RASTの陽性率はA.restrictus 28.7%, A.fumigatus 23.4%, A.alternata 37.2%, 室内塵79.8%であった.したがって, A.restrictusはIgEの関与する即時型過敏症の原因アレルゲンとなりうると考えられた.そして, 皮膚プリック試験とRASTの陽性率から, A.restrictusがアレルギー疾患の原因アレルゲンとして, 室内塵, A.alternataには及ばないが, A.fumigatusに匹敵する役割を担っている可能性が示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 39 (11), 1492-1498, 1990

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (9)*注記

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