蛔虫アレルギーにおける抗原および抗体に関する研究 : 第14報 BDB 反応による血中蛔虫抗体の証明

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  • Studies on Antigen and Antibody in Ascaris Allergy : 14. Demonstration of circulating ascaris antibody by BDB reaction

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抄録

蛔虫アレルギーにおける血中抗体について, 黒梅は Boyden のタンニン酸処理赤血球凝集反応を応用して体腔液感作タンニン酸処理赤血球凝集反応を考案し, 本法を用いて動物の実験的蛔虫症のみならず, ヒトの蛔虫寄生について血中抗体の証明に成功した.その後, 著者は本法を小腸蛔虫症および胃, 十二指腸蛔虫症の臨床に応用して, 興味ある結果を得て報告した.今回は, BDB (Bis-diazotized Benzidine) 反応を用いて血中蛔虫抗体の検索を行なった.BDB反応は1942年, Campbell, Pressman, Pauling によって初めて考按され, 1955年 Stavisky によって改良された.BDB反応の術式は次の通りである.まず, BDB原液, 第I液第II液をつくる.第I液:亜硝酸ソーダ 0.175gを 5 ml の蒸溜水に溶解する.第II液: 0.2N塩酸45 ml に0.23gのベンチジンを溶解する.次に第II液を振盪しつつ第I液を滴下し, 約30分間時々振盪した.淡黄色のBDB原液が得られたら, pH7.3の燐酸緩衛液にて15倍稀釈し, 0℃に保った.感作方法としては 100倍体腔液 3.0ml と50% ウサギ赤血球浮遊液 (pH7.3) 0.2mlを混じた後, BDBの稀釈溶液 0.5ml を加え, 室温に10分間放置し, その後なるべく0℃に保つようにして, 1.500回転3分間遠心した.遠心

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 13 (8), 551-554,580, 1964

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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