アトピー性皮膚炎におけるLate Phase Reaction : 免疫学的パラメーターおよび免疫組織学的検討

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タイトル別名
  • LATE PHASE REACTION IN ATOPIC DERMATITIS : Immunological Parameters and Immunohistological Analysis

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抄録

アトピー性皮膚炎 (AD) 患者のlate phase reaction (LPR) と諸検査値との関連を検討し, さらにLPRの組織学的検討を行った。重症度, 総IgE値, 特異的IgE値, 総IgG4値, 特異的IgG4値, 好酸球数については, 即時型反応 (IR) 陽性と相関を認めるものが一部にあったが, LPRとの相関は認められなかった。抗原皮内注射15分後, 24, 48時間後の組織反応をみると, IR^+, LPR^+の症例ではIRでの真皮の浮腫に続き24時間後にはほぼ全例で表皮に湿疹様変化を認め, 約半数で真皮の血管壁や周囲組織の浮腫, 変性, 核破壊像を認め, その一部でC3, IgGの沈着を認めた。CD4^+細胞は真皮全層に認め, 好酸球は真皮深層ほどその割合が高く, 24時間以降, EG2^+細胞は真皮深層ほど増し, CD23^+細胞は真皮全層で減少した。これらの変化はIR^-, LPR^+の組織にも認められたが, LPR^-の例では認められなかった。LPRの形成機序は多様で, IRはLPRに不可欠ではなく, CD4^+, EG2^+細胞などが真皮全層に持続的に浸潤することで炎症が維持され, その後の反応につながるものと思われた。

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 46 (5), 410-419, 1997

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (21)*注記

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