ラット好塩基球性白血病 (RBL-2H3) 細胞の抗原刺激による二相性1,2-ジアシルグリセロール産生とホスホリパーゼD活性化によるホスファチジルコリン分解

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タイトル別名
  • IgE-RECEPTOR STIMULATION INDUCES BIPHASIC 1,2-DIACYLGLYCEROL PRODUCTION IN RBL-2H3 CELLS : Phosphatidylcholine Hydrolysis by Phospholipase D Plays a Major Role in the Second Sustained 1,2-Diacylglycerol Accumulation

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抄録

ラット好塩基球性白血病 (RBL-2H3) 細胞を抗原刺激すると, 二相性の1,2-ジアシルグリセロール (DG) 産生がみられた。第一相は一過性であり, ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸 (PIP_2) の分解とイノシトール1,4,5-トリスリン酸 (IP_3) 産生に一致して生じた。第二相は持続的であり, 量的にも第一相より大きい。膜リン脂質画分の変化を検討したところ, 第二相のDG供給源は主にホスファチジルコリン (PC), 一部ホスファチジルイノシトール (PI) であることが示唆された。エタノール存在下でのホスファチジルエタノール産生をホスホリパーゼD (PLD) 活性化の指標としてPCの分解経路を検討したところ, PCからのDG産生の少なくとも50%以上はPLDを介することが示された。また, PCの分解はプロテインキナーゼCおよび細胞内Ca^<2+>濃度の上昇により促進されることから, PIP_2の分解がPC分解の引き金となっていると考えられる。一方, 分泌反応は第一相のDG産生に引き続いて経時的に生じた。エタノールによりPCからPLDを介するDG産生は抑制されたが, ほぼ同じ濃度依存性で分泌反応も抑制された。したがって, 第一相のDGは分泌反応の開始に, 第二相の持続的なDGは分泌反応の維持に関与している可能性が示唆された。

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 42 (1), 64-73, 1993

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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