気道上皮細胞のイオントランスポートに対する清肺湯の影響

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  • EFFECT OF SEI-HAI-TO ON ION TRANSPORT IN AIRWAY EPITHELIAL CELLS

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抄録

清肺湯は, 気管支炎や気管支拡張症などに用いられる漢方方剤であり, 特に膿性痰を有する患者に有効であるとされている. しかし, 本薬剤の薬理作用, 作用機序は不明である. 我々は, 粘液線手輸送系の構成要素の一つであリ, 気道液の恒常性に重要な役割を担っていると考えられる気道上皮細胞のイオントランスポートに対する本薬剤の影響を, イヌ気管培養上皮細胞を用い膜電位固定法により検討した. 清肺湯は, 細胞の泉膜側投与で濃度依存性に short-circuit currentを増加させ, その効果はアミロライドの影響を受けなかったが, フロセマイドの前処置および Cl-freeの条件下において抑制された. よって, 清肺湯は, 気道上皮細胞におけるCl分泌を選択的に亢進させ, それに伴う二次的な水分の移動を惹起させる可能性が窺われた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 43 (9), 1210-1214, 1994

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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