アレルギー性炎症における細胞外マトリックス Fibronectinの好酸球接着分子発現への影響に関する研究

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タイトル別名
  • ADHESION TO FIBRONECTIN REGULATES EXPRESSION OF ADHESION MOLECULES ON EOSINOPHILS

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抄録

アレルギー性炎症における好酸球の局所浸潤を接着機構から解明するために, 好酸球と細胞外マトリックス (ECM) との接着による好酸球接着分子発現の変化を検討した. 気管支喘息患者末梢血より分離した好酸球をBSAあるいは, フィブロネクチン(FN)上で培養した後回収し, 各接着分子発現について比較した. その結果, LFA-1α, LFA-1βについては, 明らかな変化は認められなかったが, CR3は, 4時間のFN上培養で増加し (BSA vs FN ; MFI ratio 10.50 vs 12.09 p<0.05), またVLA-4は, 4時間, 48時間ともにFN上で減少した (3.93 vs 2.91 (4h) p<0.05, 2.86 vs 2.09 (48h) p<0.05). 以上のことより, 接着分子を介した好酸球とECMとの接着刺激によって, 他の接着分子の発現調節が行われていることが示された. 接着分子という1つの moleculeへの刺激を介した接着分子間の cross-talkが存在することが示され, 好酸球浸潤の過程を中心としたアレルギー性炎症の病態生理を修飾しているであろうことが示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 44 (6), 618-623, 1995

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (26)*注記

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