8B21 視覚障害者誘導用ブロックが晴眼者の歩行へ与える影響に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Influences of tactile ground surface indicators to the gait of people with normal vision

抄録

視覚障害者誘導用ブロックは, 視覚障害者の安全な歩行を援助するために歩道に敷設されている。視覚障害者はブロックについている突起を手がかりにして歩行する。しかしブロックが敷設されている歩道を通行するのは視覚障害者だけではないため, 視覚障害者以外の人への影響も調べる必要がある。そこで本研究では, 運動学的変数と運動力学的変数を用い, ブロックのある歩行路とない歩行路をそれぞれ歩行し, ブロックの歩行への影響を定量的に比較した。その結果, ブロックがある歩行路を歩行した際には, 通常歩行よりも遊脚期につま先を高くあげ, ブロックの突起による躓きを回避していることがわかった。さらにつま先は, 股関節を通常歩行よりも強く屈曲させようとすること, もしくは骨盤を前額面上で傾けることで股関節を持ち上げていることがわかった。本研究では更に, ブロックを踏むことによる一時的な左右の脚長差がこれらの負担の原因であると考え, 脚長差の生じないブロックを提案した。その結果, 脚長差の生じないブロックでは上述の股関節の負担が有意に軽減されることがわかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ