Hogg-Hubermanモデルにおける協調解の実現と安定性に関する考察

  • 柴田 淳子
    広島大学大学院工学研究科複雑システム工学専攻
  • 坂和 正敏
    広島大学大学院工学研究科複雑システム工学専攻
  • 加藤 浩介
    広島大学大学院工学研究科複雑システム工学専攻
  • 片桐 英樹
    広島大学大学院工学研究科複雑システム工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on Realization of Cooperative Equilibrium Soluti on and Its Stability in Hogg-Huberman Model
  • Hogg Huberman モデル ニ オケル キョウチョウカイ ノ ジツゲン ト アンテイセイ ニ カンスル コウサツ

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抄録

社会システムのシミュレーションモデルであるマルチエージェントシステムにおいて,構成するエージェントが,他者とは独立に利己的な行為を選択すると仮定されるとき,システムは個人合理性を満たす競争解に均衡する.一方,人間をモデル化したエージェントは何らかの集団に属すると考えられ,個人の利益より集団の利益を重視した協調解に均衡することが望ましい場合もある.また,従来研究の多くにおいて,エージェントが行動選択に用いる情報は正確であると仮定されているが,一般に情報には不確かさや時間遅れが含まれると考える方が現実的である.そこで,本論文では情報の不確かさと時間遅れを考慮したHogg-Hubermanモデルを取り扱い,集団含理的なエージェントの導入により,集団の利益を重視した協調解での均衡の実現を目指す.さらに,コンピュータシミュレーションにより,個人合理性に基づく競争的なエージェントあるいは集団合理性に基づく協調的なエージェントから成るシステムの安定性を比較するとともに,2つのタイプのエージェントの割合と情報の不確かさの度合いのシステム全体の利益に対する影響について議論する.

収録刊行物

  • 知能と情報

    知能と情報 16 (3), 281-289, 2004

    日本知能情報ファジィ学会

参考文献 (13)*注記

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