体外受精反復不成功例に対するメトホルミン療法の有効性とその適応に関する研究

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  • Study of Metformin Therapy in Women with Repeated Failures of in Vitro Fertilization

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抄録

体外受精反復不成功の41症例で,月経周期第3日よりmetformin 500〜lOOOmg/日を8〜12週間投与後、卵巣刺激を行い体外受精を施行した。研究Iでは,同一患者の既往体外受精成績と,年齢,既往体外受精回数,BMTを合わせたmatched controlとを2つの対照群として,metformin体外受精の有効性を検討した。臨床妊娠率,継続妊娠率は,両対照群に比しmetformin体外受精で著しく高かった。首席卵胞径,血清E2値,卵胞あたりE2値は,metformin体外受精で有意に高かった。さらに多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)群と非PCOS群に分けて検討すると、非PCOS群では前述の効果に加え,良好胚数もmetformin体外受精で有意に増加した。さらに非PCOS群では,反復不成功の原因がpoor response,高齢(40歳以上),原因不明のいずれであっても,metformin体外受精は有効であった。PCOS群では首席卵胞径と卵胞あたりE2値が,metformin体外受精で有意に高かった。研究IIでは,metformin投与前の臨床検査成績より,metformin体外受精での継続妊娠の成否を予測することを試みた。既往体外受精回数,年齢,BMI,SBP, FPG, F-IRI, HOMA-R,ALP,γ-GTPの9項目で判別分析すると,感度0.917,特異度0.897で継続妊娠の達成を予測できた。

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