テナガホンヤドカリにおける1繁殖期内の交尾個体サイズの時間変異

  • 和田 哲
    Laboratory of Benthos Ecology, Faculty of Fisheries, Hokkaido University
  • 園田 武
    Laboratory of Benthos Ecology, Faculty of Fisheries, Hokkaido University
  • 五嶋 聖治
    Laboratory of Benthos Ecology, Faculty of Fisheries, Hokkaido University

書誌事項

タイトル別名
  • Temporal size covariation of mating pairs of the hermit crab Pagurus middendorffii (Decapoda: Anomura: Paguridae) during a single breeding season
  • Temporal size covariation of mating pai

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抄録

テナガホンヤドカリPagurus middendorffiiを用いて,1繁殖シーズン内で交尾前ガードに参加している雌雄の体サイズの時間変動について調べ,また,大型雄の配偶者をめぐる競争での有利性を実験室内での実験で検証した.その結果,大型雄は配偶者をめぐる競争で有利であることが明かとなった.また,繁殖シーズンを通して採集されたガード中の雌雄の体サイズ間でサイズ同類交配の傾向がみられた.サイズ同類交配の傾向は繁殖シーズンのピーク期,後期においても見られたが,前期には見られなかった.雌雄ともに交尾個体の体サイズは繁殖シーズンの前期から後期にかけて小さくなり,その理由として,雄に関しては現在と将来の繁殖成功度間のトレードオフ,あるいは生理的な制約が示唆され,雌では,繁殖と成長の配分のサイズ依存的な変異,あるいは小型個体に働く生理的な制約が考えられた.

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