Trichlormethiazide (Fluitran) の約 7 週間の服用により起こった hypokalemic myopathy の一症例

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タイトル別名
  • A Case of Hypokalemic Myopathy Induced by Trichlormethiazide (Fluitran) Administered for About 7 Weeks
  • Trichlormethiazide(Fluitran)の約7週間の服用により起こったhypokalemic myopathyの1症例
  • Trichlormethiazide Fluitran ノ ヤク 7シュウカン

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抄録

70歳, 男性。降圧利尿剤trichlormethiazide (Fluitran)を約7週間服用後, 筋肉痛を前駆症状とし, 起立, 歩行困難にまで至る四肢脱力をきたした。第17病日には症状は消失したが, 血清カリウムは2.7mEq/l(最低は1.7mEq), CPK 8630mIU, LDH 1466mIU, GOT 268mIU, GPT 179mIU, と明らかな低カリウム血と骨格筋由来の血清酵素異常を呈した。血中および尿中クレアチン, ミオグロビンも増加を示した。カリウム補給によりこれらの異常所見は全て改善され, 正常化した。本例はアルコール常用の既住はなく, 消化器症状もない。原発性アルドステロン症, 尿細管性アシドーシス, 甲状腺疾患も否定された。筋生検は施行しなかったが, trichlormethiazideの服用により生じたhypokalemic myopathyと診断した。降圧利尿剤による低カリウム血症はしばしばみられるが, hypokalemic myopathyをきたすことは少なく, しかも7週間という短期間服用により発症した症例は文献上も報告が見当らない。

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