リウマチ性多発筋痛症 (polymyalgia rheumatica) 7 症例の臨床像の考察

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  • The Clinical Features of Seven Patients with Polymyalgia Rheumatica

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抄録

Birdらの診断基準を満足したリウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica, PMR)7症例の臨床像を検討した。発症年齢は50∿73歳, 平均65歳, 男女比は2 : 5であった。筋痛は上腕, 肩甲部, 臀部に多く認められた。側頭動脈炎の合併は認められなかったが, 間歇性跛行, 大腿動脈血管雑音, 大腿動脈狭窄を認めたpolymyalgia arteriticaが2例存在した。血沈1時間値は91∿183mm, 平均113mm, CRPは全例陽性, 筋原性酵素, 筋電図は全例正常, 大部分の症例で貧血を認めた。血中免疫複合体は5例中3例に陽性で, ステロイド治療後の疾患非活動期には3例とも陰性化し, PMRの成因に免疫学的機序の関与が推定された。ステロイド治療は全例に著効を示したが, その離脱は容易ではなかった。経過中に1例が急性心不全で死亡し, 1例で慢性関節リウマチが合併し, 1例で乾燥症候群の合併が示唆された。高齢化社会の現在, PMRは今後さらに注目される疾患であり, 本症への認識を深める必要がある。

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