全身性進行性硬化症と慢性関節リウマチの overlap の一症例に発症した virus 性と思われる心筋炎, 心外膜炎, 胸膜炎の考察

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  • Clinical, Serological, and Pathological Studies on an Autopsied Case of Overlap Syndrome with Progressive Systemic Sclerosis and Rheumatoid Arthritis Associated with Pericardiomyocarditis and Pleuritis from Probable Viral Origin

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抄録

全身性進行性硬化症と慢性関節リウマチのoverlap症例の経過中に, 心筋炎, 心外膜炎, 胸膜炎を併発し, 種々の治療にもかかわらず突然死を来たした症例を, 臨床的, 病理組織学的, 免疫血清並びに組織学的に検索した。その結果, 著明な単核球細胞浸潤, 心筋細胞融解像を伴なう心筋炎が認められ, かつEcho 11型virusに対する血清抗体価の上昇と胸膜炎直下の肺組織にEcho 11型virusに対する特異螢光が検出された。しかし, 全身性進行性硬化症や慢性関節リウマチに特有な心筋病変や心血管病変は認められなかった。以上の本症例の臨床経過と病理組織像を考え合わせると, Echo 11型virusによる心筋炎が突然死の原因として最も考えられた。このことは, 膠原病疾患に生じた心筋炎, 心外膜炎, 胸膜炎が原疾患そのものによらず, virus感染性の可能性のあることを示唆しており, 膠原病の臨床上十分注意すべきことと思われた。

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