(39)イネ科植物から分離されたColletotrichum graminicolaの形態および分子分類

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タイトル別名
  • Morphology and Molecular Classification of Colletotrichum graminicola Isolated from Gramineous Plants in Japan

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抄録

今年度の大会で,イネ科植物由来Colletotrichum属菌種(C.graminicola,C.caudatum,C.falcatum,C.sublincolum)が,rDNA領域の分子系統解析によりC3植物由来株とC4植物由来株に分かれることを報告した.そこで,新たにグラス類から分離した4菌株を追加し,C.graminicola菌株間の形態比較および分子系統解析を行った.寒地型牧草などC3植物由来株は,PCAスライド培養において,分生子はやや湾曲して両端が尖り,鎌形,ときに紡錘形,顆粒状の油滴を含み,大きさは16〜22×2.5〜3.5μmで,付着器は淡褐色または褐色,長棍棒形,周縁がときにやや不整,大きさは9〜14×6〜8μmであった.いずれもSutton(1980)の記載やトウモロコシ由来株に比べて小型であった.ITS2領域は158〜160塩基,28S rDNA D2領域は188塩基で,C3株同士での相同性は98.6〜100%,トウモロコシ株とは96.0〜97.4%であった.分子系統解析によりC3株のみで単系統群をつくり,これは75%ブーツストラップ確率で支持された.以上の結果は,C.graminicolaを複合種とするSuttonの説を支持した.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1572824501995966720
  • NII論文ID
    110002716705
  • NII書誌ID
    AN0019269X
  • ISSN
    00319473
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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