ユーザプログラムとカーネルの協調に基づくスレッドの設計と実現

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  • Design and Implementation of a Thread Mechanism Based on User/Kernel Cooperation

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抄録

オペレーティングシステムのカーネルとユーザレベルプログラムの協調により実現される柔軟で効率のよいスレッド-マイクロプロセス-を設計し、実装を行った。マイクロプロセスの制御は基本的にプロセッサのユーザモードで実行されるため、スレッドの生成、切替え、同期、通信を、効率的かつ応用プログラムに適したスケジューリング方針に基づいて実行することができる。また、マイクロプロセス方式では、カーネルの記憶領域を多用しないので、一般にカーネルレベルのスレッドより1?2桁多いスレッドを生成することが可能である。さらに、マイクロプロセス方式では、従来のカーネルとユーザの協調によるスレッドの実現方式を推し進め、大域的な優先度に基づく横取り可能なスケジューリングを可能にしたほか、効率のよい遠隔手続き呼出し機構を提供している。本論文では、まず、従来のスレッドの実現方式の分類を行い、その問題点を示す。続いて、提案するマイクロプロセスの実現方式一カーネルとユーザレベルで統一的に適用されるスケジューリング機構、マイクロプロセスによる効率的な遠隔手続き呼出し機構、大域的なマイクロプロセスの識別方法一について説明する。最後に、マイクロプロセスの現在の実装に基づく性能評価の結果を示し、その有効性を明らかにする。

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