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抄録
本論文では,知識と文脈を利用して自然言語のもつ曖昧性を漸進的に解消するテキスト解釈モデルを提案する.本モデルでは,テキスト断片の意味を意味記憶上の活性パターンとして表現し,その活性パターンをエピソード記憶内の節点に記録することによってテキストの意味表現を構成する.意味記憶は知識を表現した意味ネットワークであり,エピソード記憶は先行文脈や過去の経験を記録したネットワークである.エピソード記憶内の節点には競合する複数の意味をその確定度とともに記録することができ,これによってテキストのもつ曖昧性を表現する.この確定度に偏りをつけることが曖昧性の解消である.われわれは,意味記憶上の活性パターンをエピソード記憶からの文脈活性によって誘導.同化する過程と,エピソード記憶内の節点のもつ確定度を意味記憶上の活性パターンによって誘導.調節する過程によって,曖昧性の解消を実現した.この2つの過程を循環させることによって,テキストと文脈の間の均衡を保ちながらテキストの意味解釈を進め,その曖昧性を漸進的に解消することができた.