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Abstract
常微分方程式stiff問題は,通常の数値解法によったのでは,精度・安定性の両者を満足させることが困難である.stiff問題向きの数値解法は,いくつか提案されているが,どれも直接的あるいは間接的にヤコビ行列の計算を必要とする.ROW法は,数値積分公式の中に直接ヤコ ビ行列を含んでいる.ルンゲ・クッタ法に似た方法である.これは計算の手間も小さく,安定性も良いが,ヤコビ行列は解析的に正確なものが必要と考えられる.そのことを実証する意味で,著者はヤコビ行列を数値微分で近似した場合,その誤差が近似解に与える影響を解析し,さらに数値実験も行った.その結果,ROW法では,精度・安定性の両面でヤコビ行列が正確でなければならないことが導かれた.数式微分を少ない手間で実現する方法として,伊理らの「高速微分法」が知られているので,これを行う前処理系をC言語で開発し,ROW 法のFORTRAN プログラムと併用したところ,前処理系の処理時間は短く,かつヤコビ行列計算時間を数値微分より短縮し,ROW法の理論的精度を達成することができた.このような方向で,非線型微分方程式のstiff問題へのROW法の有効性が高められると考えられる.
Journal
- IPSJ Journal [List of Volumes]
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IPSJ Journal 30(2), 143-149, 1989-02-15 [Table of Contents]
Information Processing Society of Japan (IPSJ)