巨大感染性肝嚢胞の一例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Giant Infected Liver Cyst
  • キョダイ カンセンセイ カン ノウホウ ノ イチレイ

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抄録

症例は56歳,女性.前日よりの腹痛を主訴に当院を受診し,肝嚢胞の診断で入院となった.入院後より38℃台の発熱が出現し,白血球数・CRPの上昇を認めた.腹部CT・MRIより最大径21cmの巨大な感染性肝嚢胞と診断された.経皮経肝ドレナージが困難であり,手術目的で当科転科となった.転科後も炎症所見と腹部緊満が急激に増悪したため,緊急手術を施行した.開腹すると肝嚢胞は臍直上まで及んでいた.開窓術を行い,胆汁の漏出部を縫合閉鎖した.肝中央に巨大な欠損腔が出来たため,元来の形状となるように肝実質を縫合形成した.内容液の細菌培養は陰性であった.術後経過は良好で,術後21日目に退院した.術後4ヶ月目には,肝は良好な形態を呈した.感染性肝嚢胞と診断されてドレナージが困難な場合は,速やかに手術を行うべきである.また,開窓術後の著明な変形が危惧される場合には,縫合形成も考慮されるべきである.

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 54 (2/3), 63-68, 2005

    山口大学医学会

被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (12)*注記

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