8-2 気管支喘息患者における気管支鏡の安全な検査方法(シンポジウム8 安全で高度なBronchoscopyを目指して)

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タイトル別名
  • Safety Method for Fiberoptic Bronchoscopy in Patients With Asthma (Symposium 8)

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抄録

2000年に日本呼吸器内視鏡学会が全国229施設で行なったアンケート調査では,気管支鏡合併症の中で気胸,感染に次いで喘息発作が3番目に多い合併症(19.9%)であった.最近3年間に診断を目的として行った気管支鏡1270件中37件(3%)に喘息を合併していたが,軽度の発作を起こしたのは1件であり,その症例は吸入ステロイド治療を受けていなかった.軽症中等症の喘息患者における気管支鏡検査の成功の最も重要なポイントは,吸入ステロイド治療により検査前良好にコントロールされているか否かであり,熟練した専門医による短時間の検査であれば合併症なく検査施行可能と思われた.また経皮酸素モニターを行い必要時には酸素投与できるように準備しておく.検査当日には通常量または2倍量の吸入ステロイドや長時間作動型のβ2刺激薬の吸入を行い,検査15分前には短時間作動型のβ2刺激薬を局所麻酔薬に混ぜて吸入することが望ましい.また,症状不安定の症例では検査当日にステロイド薬(ソルメドロール40〜125 mgなど)およびテオフィリンの点滴が必要である.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 25 (8), 730-732, 2003

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (4)*注記

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