気管支粘表皮癌の1手術例

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タイトル別名
  • A Case of Mucoepidermoid Carcinoma of the Lung

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抄録

背景.低悪性度肺癌の一つである粘表皮癌を経験したので報告する.症例.症例は39歳の女性.38℃台の高熱が出現し近医を受診した.左上大区に肺炎像を認めたことから当院へ紹介となった.気管支鏡所見では,左上幹入口部に内腔をほぼ閉塞する腫瘍を認めた.気管支鏡下の組織生検にて粘表皮癌が疑われ,手術適応とした.術中気管支鏡下に観察しながら上葉切除術を行った.断端に腫瘍の残存がないことを確認し,リンパ節郭清を行った.手術時間5時間5分,出血量170ml.術後経過は良好であり,術後第11病日目に自宅退院した.切除標本肉眼所見は,3mmの茎を有する23×12mm大のポリープ型腫瘍であり,組織学的に粘表皮癌と診断した.病理病期はT2NOMO Stage IBであった.Comparative genomic hybridization法による染色体異常の解析結果では,増幅や欠失は認めなかった.手術後3年6ヶ月の現在,局所再発や遠隔転移を認めず,健存中である.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 26 (5), 443-447, 2004

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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