長期気管内挿管後の気管狭窄に対し,気管切開孔から二期的にDumon stentを挿入した1例

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タイトル別名
  • Staged Dumon Stent Placement in a Patient With Tracheal Stenosis After Long-term Endotracheal Intubation

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抄録

背景.気管・気管支狭窄に対してDumon stentを留置するには,通常硬性鏡を使用するが,いずれの施設にも硬性鏡が常備されているわけではなく,緊急時には簡単かつ安全な方法が必要である.症例.57歳男性.他医でcoronary artery bypass grafting (CABG)施行後,2か月間の経口気管内挿管での呼吸管理を行われた.抜管後リハビリ目的にて前医転院となったが,この頃より喘鳴,呼吸困難が出現.胸部CTで気管狭窄を指摘され,加療目的にて当院転院となった.気管支鏡では気管分岐部から口側約3cmの部位に高度の瘢痕性気管狭窄を認め,直ちに気管切開による気道確保を行った.狭窄部位の拡張が得られ気切部の感染が治癒したところで,気切孔から挿管チューブを用いて内腔に装着したDumon stentを留置した.結論.硬性鏡が常備されていない施設において,高度気道狭窄に対し気管切開を施行後二期的にDumon stentを挿入することは,救命処置として安全かつ実用的である.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 26 (5), 465-468, 2004

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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