極細径気管支鏡により確認しえた末梢気管支結石症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Broncholithiasis of Peripheral Bronchus Observed by Ultrathin Bronchoscope

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抄録

背景.気管支結石症は比較的稀な疾患である.その報告例の多くは中枢気管支に存在した結石である.今回極細径気管支鏡を使用し末梢気管支に結石を観察しえた貴重な症例を経験した.症例.68歳女性,主訴は喀痰.18歳時肺結核の既往がある.検診の胸部X線写真で,異常陰影を指摘され,高分解能CT(HRCT)にて右S^2a領域に気管支拡張像と内腔の石灰化,末梢域での無気肺を認めた.気管支鏡検査では右B^2aの変形・屈曲と粘液の貯留が認められた.十分な吸引後,消炎酵素剤・去痰剤を3ヶ月投与した.3ヶ月後のHRCTでは末梢域の無気肺の改善がみられ,極細径気管支鏡を用い直視下に右B^2aii入口部に結石を確認しえた.結論.末梢気管支に存在する結石を極細径気管支鏡により確認しえた.市中肺炎,悪性疾患さらに本症など区域性の無気肺像を呈する場合の鑑別診断に極細径気管支鏡は有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 26 (5), 469-473, 2004

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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