気管支鏡下にバスケット把持鉗子を用いて摘出した気管支異物(梅干しの種)の1例

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タイトル別名
  • A Case of Successful Removal of an Intrabronchial Plum Stone by Basket Type Grasping Forceps

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抄録

梅干しの種による気管支異物の症例報告は比較的稀であり,その回収方法が重要である.症例.症例は80歳,男性.1987年に脳梗塞,1996年および2001年に嚥下性肺炎の既往がある.2002年4月1日,肺炎の診断で近医より紹介され入院した.胸部単純X線で右下肺野に浸潤影を認め,嚥下性肺炎と診断し,イミペネムによる治療を開始した.胸部CTで右中間気管支幹に1〜2cm大の異物を疑うリング状高吸収域を認めた.気管支鏡にて右気管支に異物が確認され,喀痰の吸引除去後に鰐口型生検鉗子で摘出を試みたところ,異物の大きさと硬さは確認できたが気管の狭窄部で脱落した.異物が気道内を移動する状態となったために,右中間幹内にバスケット把持鉗子を挿入し,バスケット内に収納して摘出した.異物は18×13×10mm大の梅干しの種であった.抗生剤による治療継続により肺炎は軽快した.結論.梅干しの種による気管支異物の摘出にバスケット把持鉗子が有効であった.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 24 (6), 462-467, 2002

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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