気管支結核・狭窄型の病理

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タイトル別名
  • Histopathogy of Stenotic Bronchial Tuberculosis

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抄録

過去30年間に中枢気管支の狭窄を来して切除された気管支結核49例の病理プロトコールと, その中で組織標本が得られた20例について, その肉眼/組織所見の分析を行った。女性は男性の約2倍, 狭窄症状は化学療法開始6〜24カ月後に発現する例が多く, 治療開始時の排菌は少量排菌ないし陰性例が多かった。活動性結核病変は狭窄部の末梢に残っている例もあったが, 多くの例で気管支粘膜固有層は膠原繊維に置換され, その収縮による軟骨の偏位・変形が顕著であった。繊維化は早くから軟骨周囲に強く起こり, 活動性炎症反応の座であった内腔側はむしろ軽度で, 炎症細胞浸潤と膠原繊維増生とは異なった場所に異なったプロセスで起こると思われた。肥大した腺組織が軟骨間に残存し, 抵抗減弱部となっている例もあった。軟骨が破壊し内腔に放出された所見が, 粘膜壊死の強い1例でみられた。中枢気管支結核の発生は主として気管支腺導管内への結核菌の落ち込みから出発すると思われたが, 2例では肺門リンパ節内陳旧性初感染巣からの連続性進展が疑われた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 23 (4), 312-319, 2001

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (15)*注記

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