閉塞性肺疾患の機能と細径ファイバースコープ所見の関連性(気管支の構造と機能)(第 19 回日本気管支学会総会)

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抄録

径2.2mmの細径ファイバースコープを用いて健常者, 慢性肺気腫, 喫煙者の細気道を観察し以下の所見を得た。(1)小葉中心性肺気腫と喫煙者の第8次分枝以下の末梢気道粘膜には前者では慢性炎症, 後者では急性炎症所見を認めた。(2)小葉中心性肺気腫の気道の機能的狭窄部位は第10次分枝にあった。それより口側の慢性炎症と末梢の肉柱形成が特徴的所見であった。(3)狭窄, 閉塞と肉柱形成は独立して存在し得た。軽度の肺気腫では肉柱形成の頻度のほうが狭窄よりも高頻度に認められた。(4)閉塞性障害の軽度の肺気腫では既存の気管支の構造が維持された肉柱形成への移行が認められた。(5)閉塞性障害を認めない喫煙者の第12次分枝付近の細気管支には肉柱形成の先駆病変と考えられる粘膜の顆粒状肥厚を認めた。これは小葉中心性肺気腫の内視鏡的早期病変と考えた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 18 (8), 794-799, 1996

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (10)*注記

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