前処置用麻酔スプレーのノズル内筒による気道内異物の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Foreign Body (The Obturator of a Lidocaine Spray Nozzle in the Respiratory Tract, Caused by Pretreatment for Upper Gastrointestinal Endoscopy

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抄録

症例は79歳, 女性。肺炎の診断にて近医入院。その際, 胸部Computed Tomography(CT)にて気管腫瘤が認められ, 治療目的にて当科入院となった。気管支鏡検査にて声帯より約5cm末梢に気管腫瘍を認め, その直下から気管分岐部を越えて右主気管支へ入るワイヤー状の異物を認めた。異物は金属製で, 異物と気管・気管支粘膜との癒着を認めず, 生検鉗子にて抵抗なく容易に摘出できた。異物は粘膜麻酔用のリドカインスプレーのノズルの内筒であった。患者は以前に上部消化管内視鏡検査を4回施行された経験があることから, 気道内異物の原因として, その前処置である咽頭麻酔時にリドカインスプレーの内筒を抜去しないまま使用したため, 内筒が気道に入ったと考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 20 (4), 344-347, 1998

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (7)*注記

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