胸腔鏡下に切除した縦隔気管支嚢腫を合併する肺葉外肺分画症の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Extralobar Pulmonary Sequestration Associated with Mediastinal Bronchogenic Cyst Resected under Video-assisted Thoracoscopic Surgery

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抄録

報告例の少ない縦隔気管支嚢腫を合併した肺葉外肺分画症を胸腔鏡下に切除しえた症例を経験したので報告する。症例は56歳男性で, 唾液に血液が混入したため受診, 胸部X線上異常影を指摘され, 縦隔腫瘍と診断され入院した。腫瘍は後縦隔に存在し神経原性腫瘍を疑い胸腔鏡下手術を施行した。胸椎右側面に4.5cm大の嚢腫とこの頭側に銀杏の葉状の異常組織を認め, 両者とも切除した。嚢腫は内腔が線毛上皮に被われ, 壁に軟骨および気管支腺があり気管支嚢腫と診断された。異常組織は内部に気管支, 細気管支構造および立方上皮で被覆された腺管がみられ, 肺葉外肺分画症と診断された。これらは前腸から肺原基が発生する胎生3∿4週頃の同時期の発生異常と考えられているが, 両者が合併した症例の報告は少なく, 本邦でこれまで1例の文献報告があるのみである。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 20 (4), 357-361, 1998

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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