Tracheobronchomegaly の 1 例

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  • A Case of Tracheobronchomegaly

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抄録

66歳, 男性。膿性たん, 喘鳴, 呼吸困難のため入院した。理学的所見では乾性ラ音, 湿性ラ音, バチ状指を認めたがチアノーゼはなかった。せきは長く低調で"うなり"のようないわゆる"booming"という性状であった。胸部X線写真では, 気管は40mm, 主気管支は右35mm, 左25mmと拡張していた。気管支鏡検査では気管・主気管支は広く, 軟骨輪は隔壁のごとく目立ち, 気管上部・左右主気管支には憩室が確認され, せき・強制呼気により気管は容易に虚脱した。肺機能検査では%FVC 56%, FEV_<1.0%> 51%。flow volume curveでは75%肺気量位でflowが急激に低下し, 以後低肺気量位まで細かい振動がみられた。TBMは非常に稀な疾患で, 本邦での報告は数例にすぎず, また肺機能に関しての詳細な報告は少ない。本例でみられた特異なせき, 気管・気管支の易虚脱性に由来すると思われる特徴的なflow volume curveのパターンは, TBMの診断上有用と考えられた。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 6 (2), 253-260, 1984

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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