TBLB にて肺胞腔内器質化がみられた肺炎の検討

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The Study of the Cases of the Pneumonia Showing Intraalveolar Organization in the Specimens of the TBLB

この論文をさがす

抄録

1, 454例の経気管支的肺生検(TBLB)の83例(5.7%)に, 肺胞腔内器質化がみられた。肺胞腔内器質化は非特異的所見であり, 肺炎のほかに, 間質性肺炎, 肺結核, 肺癌, 過敏性肺炎などでもみられた。20例の肺胞腔内器質化を示した肺炎例について検討した結果, 基礎疾患として悪性腫瘍4例, 陳旧性肺結核4例, 糖尿病2例, その他4例がみられた。20例中15例は抗生物質を投与したにもかかわらず陰影の吸収が悪いためにTBLBを施行したもので, 5例は無治療例にTBLBを施行していた。治療を行っていたものでは, 治療開始よりTBLBまでの期間は全例2カ月以内であった。TBLBで肺胞腔内器質化を認めたため抗生物質の変更(一部の変更を含めて)を行ったのが半数を占めた。胸部X線はTBLBより3カ月以内で半数の症例に陰影の消失を認めたが, 小結節や索状影の形で陰影が残る例もみられた。以上より, TBLBで肺胞腔内器質化がみられた肺炎は基礎疾患を有するものが多かったが, 半数は3カ月以内に陰影の消失を認め, 必ずしも長期の経過をとるものではないことが明らかとなった。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 9 (1), 53-59, 1987

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ