慢性気管支炎患者の気管支線毛の再生に関する研究 : 特に電顕像を中心に(気道粘膜上皮の再生における基礎と臨床)

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  • Regeneration of Bronchial Cilia in Patients with Chronic Bronchitis

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抄録

症状増悪期の後半より緩解期にかけての慢性気管支炎患者7例を対象とし, 気管支鏡下で気管支上皮の生検を行った。その生検材料を型のごとく処理した後, 電子顕微鏡的検索と考察を加えた。結果 : 線毛の脱落した無線毛細胞における新線毛の再生は以下の2つの方式によることを見出した。(1)線毛が線毛頸部で折れて脱落し細胞内に基底小体と線毛根(Rootlet)が健在であるものは, その基底小体から線毛が再生する像をみた。(2)絨毛, 線毛構造のすべてが消失した部分は細胞内のミトコンドリアが増加し, その周辺で多数の対をなすprotomicrotubulesとdense bodiesがみられた。次いでそれらはRootletの基本形と発展し, さらに上層部ほど完成されたRootlet構造を示した。そしてRootletは遊離面に直角となり, その上部は基底小体を構築する9組のtripletのmicrotubule構造にsmoothに移行する所見がみられ, Rootletから基底小体, さらに線毛と再生していくものと考察した。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 9 (4), 373-378, 1988

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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