肺癌気管膜様部合併切除後有茎心膜パッチ再建の 1 治験例

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タイトル別名
  • A Case of Pericardiac Pedicled Patch Reconstruction after Total Resection of Lung Cancer Using the Membranous Portion of the Trachea

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抄録

症例は47歳男性。右S^1a原発肺腺癌で, 術前椎体・気管・食道に浸潤が疑われ, c-T4N2M0-stage IIIBであった。術前気管支鏡では, carinaより7リング中枢側までの気管膜様部浸潤が疑われた。術式は胸骨正中切開に, 右頸部切開, 右前方腋窩第4肋間開胸を追加した経路から, Th2-4の3椎体・食道筋層・気管膜様部切除を伴う右上葉切除を施行。気管膜様部の欠損は2.5×1.2cm大で, この欠損部に有茎心膜パッチを当て, 食道筋層の欠損部とともに有茎第4肋間筋弁にて補強した。術後病理組織所見では低分化型腺癌で, p-T4N0M0-stage IIIBであった。T4は3椎体, 食道外膜筋層, 気管膜様部であり, 切除断端はすべて陰性であった。術後の経時的な気管支鏡検査で, 心膜パッチ再建部は50病日で, ほぼ正常気管支粘膜で被覆され治癒していた。この気管膜様部再建法は特に術後合併症がなく, 有効だったので, 1術式として報告する。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 20 (2), 133-138, 1998

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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