10. 気管内転移による気道狭窄を呈した, 肺カルチノイド腫瘍の1例(第77回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

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抄録

症例は82歳, 女性. 平成14年に下痢および脱水症状を主訴に近医入院, 胸部CTにて右下葉に径8cm大の巨大腫瘤を指摘された. 尿中5-HIAA高値でありカルチノイド腫瘍と考えられたが, 腫瘍の進展度より手術適応外と判断され, 以後対症療法のみ施行されていた. 平成16年11月頃より喘鳴と呼吸困難を自覚, 頸部CTにて声帯直下に腫瘤性病変を認めたため, 当科紹介入院となる. 気管支鏡検査にて声帯直下左側より突出する, 血管怒張を伴い表面平滑な腫瘍を認め, これにより気管は高度に狭窄していた. 同部位からの生検にて定型的カルチノイドと診断された. 気道確保のため気管切開術を施行後, 気管内腫瘍に対し半導体レーザーによる焼灼術を施行した. 術後経過は良好で, 気管内腫瘍はほぼ消退し, 気管切開口閉鎖後も喘鳴や呼吸困難等認めていない. 右下葉の腫瘍は残存し, 下痢などの症状は持続するために, サンドスタチン投与を開始, 平成17年5月退院となり外来にて経過観察中である.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 27 (5), 417-, 2005

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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