落葉広葉樹林における林床面蒸発のモデル化と流域への適用

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  • Modelling of evaporation from a forest floor in a deciduous broad-leaved forest and its application to a basin
  • ラクヨウ コウヨウジュリン ニ オケル リンショウメン ジョウハツ ノ モデル

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抄録

落葉広葉樹林からの林床面蒸発量を推定するために,「林床面蒸発量計算モデル (EFFモデル)」を構築した。同モデルは, CAMPBELLが土壌面からの蒸発量を推定するために提案したモデルに,落葉層の被覆による効果を表現するサブルーチンを付加したものである。落葉層のサブルーチンを構築するための実験によって,落葉層の被覆により鉱質土壌からの蒸発量が,被覆されていない場合に比べて3割に減少することが示唆された。また落葉層自体からの蒸発量は,日射量と落葉層含水率から推定できることが明らかになった。同モデルを落葉広葉樹林に適用し林床面蒸発量を推定した。その結果,日射量が林床面蒸発量を決定する最大の因子であることが示唆された。また,降水後1~2日の間は0.4~0.8mm/day, 2~3日目以降は0.2~0.3mm/dayという日日変化を示す結果が得られ,数日単位の時間スケールでは落葉層含水率も大きな影響を及ぼしているものと考えられた。流域からの蒸発散量に占める林床面蒸発量の割合は,年間で18%, 落葉期で36%であった。また,有効放射量の8~15%が林床面蒸発に消費されていることが明らかになった。

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