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タイトル別名
  • Denitrification in the valley soil of a forested catchment
  • 森林流域谷底部土壌の脱窒作用--NO3-N窒素安定同位体比による解析
  • シンリン リュウイキタニ テイブ ドジョウ ノ ダッチツ サヨウ NO3- N
  • NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>-N窒素安定同位体比による解析
  • Analysis by the natural abundance of <SUP>15</SUP>N of nitrate

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抄録

東京都八王子市の落葉広葉樹の小流域を対象に,NO3--N窒素安定同位体比およびアセチレン阻害法を用いて森林の脱窒作用について検討した。土壌溶液のNO,NO3--N窒素安定同位体比(δ15N)は,不飽和土壌では-3.6~-O.9‰の範囲にあり,谷底部と谷頭斜面部での違いは認められなかった。これに対し,谷底部の飽和土壌は1.2~4.7‰,渓流水は0.9~5.0‰であった。この不飽和土壌と飽和土壌のδ15N値の違いは,脱窒に伴う同位体分別効果によるものであり,谷部の飽和土壌が脱窒サイトとなっていると考えられた。また,アセチレン阻害法により測定した谷部土壌の脱窒活性は,表層の不飽和土壌よりも深さ120cmの飽和土壌で高く,谷部の飽和土壌が脱窒サイトであることが確認された。脱窒サイトとなっていたのは80cm以深の土壌であり,表層から浸透したNO3--Nは谷底部の土壌深部で除去されていると考えられた。また,渓流水はNO3--N濃度,δ15N値ともに谷底部飽和土壌の値に近く,脱窒の影響を強く受けた水が渓流へ流出していることが明らかになった。

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参考文献 (23)*注記

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