マツノザイセンチュウ感染によるクロマツ木部放射柔細胞の変化と周辺仮道管への影響

• 原 直樹

  京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻微生物環境制御学分野

• 二井 一禎

  京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻微生物環境制御学分野

書誌事項

タイトル別名

• Histological Changes in Xylem Parenchyma Cells and the Effects on Tracheids of Japanese Black Pine Inoculated with Pine Wood Nematode, <I>Bursaphelenchus xylophilus</I>
• マツノザイセンチュウ カンセン ニ ヨル クロマツ モクブ ホウシャジュウサイボウ ノ ヘンカ ト シュウヘン カドウカン エ ノ エイキョウ
• Histological changes in xylem parenchyma cells and the effects on tracheids of Japanese black pine inoculated with pine wood nematode, Bursaphelenchus xylophilus

抄録

5年生クロマツにマツノザイセンチュウ1万頭を接種し, 接種後1週間ごとに接種点から下向きに15cmの部分を供試した。供試した主軸をホルマリン固定したものからミクロトームを用いて切片を作成し, 脂質染色性の染色剤であるスダン黒, スダンIV, ナイル青を用いて染色した後, 光学顕微鏡で観察を行った。その結果, マツノザイセンチュウを接種したクロマツの木部放射柔細胞において, (1) 油滴の呈色に変化が現れること, (2) 接種点付近では呈色が細胞全体に拡がること, また (3) 細胞内容物が細胞外に漏出し, 仮道管の有縁壁孔膜にその漏出物質が付着していることが確認された。これにより, マツノザイセンチュウに感染したクロマツの木部においては, 木部放射柔細胞で細胞内の液胞が崩壊することにより, 油滴状脂質が細胞質全体に拡がり, その後細胞内容物が細胞外へ漏出し, その漏出物質が仮道管有縁壁孔の壁孔膜に付着し, その結果木部の水分通導機能を低下させている可能性が示唆された。

収録刊行物

• 日本林學會誌

  日本林學會誌 83 (4), 285-289, 2001

  日本森林学会

キーワード

• bordered pits
• Bursaphelenchus xylophilus
• Pinus thunbergii
• tracheids
• xylem parenchymatous cells

詳細情報

• CRID: 1390282681335722112
• NII論文ID: 110002831011
• NII書誌ID: AN00198561
• DOI: 10.11519/jjfs1953.83.4_285
• ISSN: 21858195
• ISSN: 0021485X
• NDL書誌ID: 6008314
• Web Site: https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010641566
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I6008314
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • CiNii Articles
  • Crossref
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可