土壤微生物のフロラにおよぼす木酢液の影響

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タイトル別名
  • Effect of pyroligneous acid (wood vinegar) on the microbial succession in a forest nursery soil
  • ドジョウ ビセイブツ ノ フロラ ニ オヨボス モクサクエキ ノ エイキョウ

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抄録

苗畑における枠実験によつて,木酢液をまいたあとの微生物のフロラのうつりかわりを追求した。調べた土壌は表面からすぐ下の層だけのものであつたが,まず,糸状菌は,まいた直後,急激に減少した。しかし, 2週間目ごろからふえはじめ,以後ずつと,きわめて高い密度をしめし, 1ヵ年日でもその状態をたもつた。バクテリヤもはじめ減少するが, 2週間目ごろから増えはじめ, 2ヵ月目ごろまで高い密度を保つた。しかし,その後へりはじめ, 3ヵ月目にはほぼもとのとおりになつた。一方,放射状菌は,木酢液によつて減少し, 1ヵ年目でもかなり少ない状態であつた。<br> 木酢液をまいたあとに出てくる微生物中,糸状菌については,その種類分けをおこなつたが,大体,つぎのような傾向がみとめられたPenicillium ianthinellum series, P. citrinum series, P. oxalicum series, Trichoderma vifideなどは,木酢液をまかない所にも多く見出されたが,まいたところには優勢な種類として存在していた。Penicillium ianthinellum seriesは,まかなかつた所にはあまりあらわれなかつたが,まいた所には3ヵ月以後,わりあい多くあらわれた。

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