ニトリルゴムを添加したエポキシ系接着剤の劣化機構の解析

  • 川島 哲哉
    (株)日東分析センター亀山事業所:519-0193 三重県亀山市布気町919
  • 杉本 俊彦
    日東電工(株)電子材事業部門回路材事業部:519-0193 三重県亀山市布気町919
  • 小川 俊夫
    金沢工業大学大学院工学研究科材料設計工学専攻:921-8501 石川県石川郡野々市町扇が丘7-1

書誌事項

タイトル別名
  • Study on the deterioration of an epoxy-type adhesive containing nitrile rubber.
  • ニトリルゴム オ テンカ シタ エポキシケイ セッチャクザイ ノ レッカ キコウ ノ カイセキ

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抄録

高温高湿環境下でニトリルゴム(NBR)/エポキシ樹脂系接着剤の加速寿命試験を行い,接着剤の劣化について検討した。その結果,接着剤のガラス転移温度(Tg)の低下や透過型電子顕微鏡(TEM)観察下におけるNBRへのオスミウム酸の染色能の低下が認められ,接着剤の劣化はミクロ相分離構造を形成しているNBRの劣化に起因することが判明した。NBRの劣化としては主に酸化反応による炭素-炭素二重結合部の切断であるが,そのほかにニトリル基やNBR中に変性されたアクリル酸とエポキシ基との反応でできたエステル基の減少も確認された。また,NBR中の酸化防止剤が接着剤の硬化を目的とする加熱処理過程で気化してしまうことにより,この劣化は更に加速されていることが分かった。

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 49 (11), 835-841, 2000

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (30)*注記

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