ダウンサイズ化する分析化学　　イオン交換樹脂濃縮固定化／二酸化炭素膜電極法による環境水中の全炭酸の定量

• 奥村 稔

  島根大学総合理工学部:690-8504 島根県松江市西川津町1060

• 吉原 三絵

  島根大学総合理工学部:690-8504 島根県松江市西川津町1060

• 藤永 薫

  島根大学総合理工学部:690-8504 島根県松江市西川津町1060

• 清家 泰

  島根大学総合理工学部:690-8504 島根県松江市西川津町1060

書誌事項

タイトル別名

• Down-Sizing in Analytical Chemistry. Preconcentration and preservation of total carbonate in environmental waters using an anion-exchange resin column followed by its determination with a CO2 gas-sensitive electrode.
• イオン交換樹脂濃縮固定化/二酸化炭素膜電極法による環境水中の全炭酸の定量
• イオン コウカン ジュシ ノウシュク コテイカ 2サンカタンソ マク デンキョクホウ ニ ヨル カンキョウ スイチュウ ノ ゼン タンサン ノ テイリョウ

抄録

環境水中に溶存する炭酸物質(全炭酸)を小形樹脂カラムに捕集し,溶離後二酸化炭素膜電極で定量する方法を開発した。試料水(50ml)を硫酸酸性にすることにより全炭酸を二酸化炭素に変え,更に窒素ガスを通気することによってこの二酸化炭素をあらかじめ調製した小型のOH型陰イオン交換樹脂カラム(充填量,1g;カラム内径0.6cm,長さ10.6cm)に捕集した。このカラムに溶離液として0.2M硝酸カリウム溶液50mlを通して,全炭酸を溶離した。流出液のpHを希塩酸とクエン酸系緩衝液で約4.8に調節した後,この溶液中の全炭酸濃度を二酸化炭素膜電極により定量した。本法は海水の塩分の影響を受けず,淡水から高塩分の海水までの環境水に適用できる。実試料として汽水湖「中海」の水に適用し,全炭酸の濃度分布,挙動を明らかにした。本法は従来のような高価な分析機器を必要とせず,操作も簡便である。また,小形樹脂カラムを使用したことにより濃縮が可能となり,試料サイズも小さくでき,更に樹脂カラム中の全炭酸は長期間(75日間)にわたり保存可能であった。

収録刊行物

• 分析化学

  分析化学 49 (12), 997-1002, 2000

  公益社団法人 日本分析化学会

キーワード

• determination of total carbonate
• preconcentration
• carbon dioxide trapping
• anion exchange resin column
• carbon dioxide electrode

詳細情報

• CRID: 1390001204052265088
• NII論文ID: 110002905813
• NII書誌ID: AN00222633
• DOI: 10.2116/bunsekikagaku.49.997
• COI: 1:CAS:528:DC%2BD3MXkt1Cl
• NDL書誌ID: 5600562
• ISSN: 05251931
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I5600562
• Web Site: http://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/49/12/49_12_997/_pdf
• Web Site: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10894906
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • NDL-Digital
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可