分子探針を用いる走査型トンネル顕微鏡

書誌事項

タイトル別名
  • Scanning Tunneling Microscopy with Molecular Tips
  • ブンシタンシン オ モチイル ソウサガタ トンネル ケンビキョウ

この論文をさがす

抄録

分子探針を用いた走査型トンネル顕微鏡(STM)について,これまで行われた研究を概説した.分子探針を用いることにより,探針-試料間の水素結合,配位結合及び電荷移動相互作用の各々に基づき,化学選択的なSTM観察が可能となる.これは,上記3種の相互作用に伴う電子波動関数の重なりを通じてトンネル電流が促進されるためである.分子探針を用いることによって得られる化学選択性は,探針分子に含まれる官能基を設計することにより制御できる.また,多くの分子探針は自己組織化単分子膜により下地金探針を修飾することによって作製されたが,導電性ポリマー又はカーボンナノチューブを探針として用いても化学選択性が得られる.更に分子探針によって配座解析,単分子-単分子間の電子移動の測定も可能となる.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (6), 417-426, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ