種々の添加物存在下における単一DNAの顕微誘電泳動挙動

書誌事項

タイトル別名
  • Microscopic Dielectrophoresis of Single DNA in the Presence of Some Substances in Aqueous Solutions
  • シュジュ ノ テンカブツ ソンザイ カ ニ オケル タンイツ DNA ノ ケンビユウデン エイドウ キョドウ

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抄録

40 kbp(bp: 塩基対)を超えるDNAの新しい分離法を確立するために,DNAの誘電泳動に注目して研究を行った.フォトリソグラフィー法によって新たに作製した平面マイクロ四重極電極にDNA溶液を滴下し,交流電圧を印加してDNAの誘電泳動を蛍光顕微鏡を用いて測定した.DNAにインターカレートする蛍光試薬のアクリジンオレンジを用いた場合では,より大きな誘電泳動移動度を示した.またDNAのグロビュール転移を引き起こすポリエチレングリコールの高濃度溶液では,転移の効果より,粘性抵抗力の増大の効果のほうが大きかった.陰イオン性と非イオン性の界面活性剤では,DNAの誘電泳動に対する効果はほとんどなかった.陽イオン性界面活性剤である塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAC)を添加した場合には,CTACがDNAと強く結合するため,蛍光色素との結合が阻害されDNAの検出が困難であった.非イオン性のO/Wエマルションは,負の誘電泳動を示し,正の誘電泳動を示すDNAとは相互作用しなかった.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (6), 459-465, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (29)*注記

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