1,2‐ジアシルグリセロール位置異性体のエレクトロスプレーイオン化質量分析

  • 橋立 毅
    北海道大学大学院水産科学研究院海洋応用生命科学部門
  • 板橋 豊
    北海道大学大学院水産科学研究院海洋応用生命科学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Electrospray Ionization Mass Spectrometry of Regioisomeric 1,2-Diacylglycerols
  • 1,2-ジアシルグリセロール位置異性体のエレクトロスプレーイオン化質量分析
  • 1 2 ジアシルグリセロール イチ イセイタイ ノ エレクトロスプレー イオンカ シツリョウ ブンセキ

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抄録

1,2-ジアシルグリセロール(1,2-DAG)の位置異性体(reverse isomers)を同定するためのエレクトロスプレーイオン化質量分析法を検討し,その特徴を明らかにした.不飽和度の異なる種々の異性体をジニトロフェニルウレタン(DNPU),ジニトロベンゾエート,ニコチネート及びアンスリルウレタンへ変換してスペクトルを測定した.その結果,MSでは,いずれの誘導体からも強い分子量関連イオン([M-H]又は [M+Na])が得られたが,構成脂肪酸由来のイオンは検出されなかった.一方,MS/MSでは,DNPUから [RCOO]イオンが検出された.16 : 0や18 : 1など不飽和度の小さな脂肪酸を含む位置異性体のsn-2位由来の [R2COO]の強度はsn-1(3)位由来の [R1COO]よりも大きく,両異性体の識別が可能であった.一方,高度不飽和脂肪酸を含む異性体では,この差は小さく,20 : 4や22 : 6は結合位置にかかわらず脱離しやすいことが認められた.[RCOO]イオンの生成機構について考察した.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (9), 807-816, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (12)*注記

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